Aliexpressの配達予定日は信用するな。配送を「管理」し、お得を確定させる最短ルート

Aliexpressの価格は魅力的です。しかし、その安さは「長い配送期間」という対価の上に成り立っています。注文時に表示される「配達予定日」は、あくまでシステムが弾き出した楽観的な予測に過ぎません。これを鵜呑みにし、一喜一憂するのは非効率です。

Aliexpressを賢く使いこなす中級者以上は、配達予定日を「目安」と割り切り、配送プロセス全体を冷静に「管理」します。この記事では、配送の遅延リスクを把握し、万が一の事態にも確実に対処。最終的にポイント獲得まで含めた購入体験を最適化するための最短ルートを案内します。

なぜAliexpressの「配達予定日」は“目安”でしかないのか

注文した商品が手元に届くまでには、複数の業者と国をまたぐ複雑なプロセスが存在します。このプロセスのどこか一つで遅延が発生すれば、配達予定日は簡単にずれていきます。

国際配送の複雑なリレー

あなたの注文品は、以下のような長い旅を経て日本に到着します。

1. セラー（店舗）: あなたの注文を梱包し、発送準備。
2. 中国国内の集荷業者: 各地のセラーから荷物を集め、国際交換局へ輸送。
3. 国際交換局（中国）: 航空便への搭載待ち、輸出通関手続き。
4. 国際輸送: 飛行機で日本へ。
5. 国際交換局（日本）: 到着後、輸入通関手続き（税関検査）。
6. 日本の配送業者: 通関後、日本郵便などの国内業者へ引き渡し。
7. 配達: あなたの元へ。

この各所で、大型セールによる物量の増加、天候、各国の祝祭日、通関検査の混雑など、無数の遅延リスクが潜んでいます。

「送料」と「速度」はトレードオフの関係

Aliexpressでは複数の配送方法が選択できます。送料が安いほど、所要日数は長くなる傾向にあります。このトレードオフを理解することが、適切な期待値を持つための第一歩です。

「送料無料」に惹かれてCainiao Super Economyを選ぶ際は、1ヶ月以上待つことを覚悟し、追跡情報が更新されなくても焦らない心構えが必須です。

配達状況を正確に把握するための「追跡最適ルート」

Aliexpress公式の追跡情報だけを見ていると、情報が更新されず不安になることがあります。複数のツールを使い分けることで、より正確に荷物の現在地を把握できます。

基本ルート：Aliexpressアプリ・サイトでの追跡

まずは「注文の詳細」ページで公式の追跡情報を確認します。「輸送中」「あなたの国の通関手続きが完了しました」「配達業者による配達中」といったステータスの変化を追うのが基本です。

応用ルート：外部のユニバーサル追跡サイトを活用する

Aliexpressの追跡情報が更新されない場合でも、外部の追跡サイトではより詳細な情報が表示されることがあります。

• おすすめ追跡サイト:
  • 17TRACK: 最も有名なユニバーサル追跡サイト。世界中の多くの配送業者の追跡番号に対応しており、UIも分かりやすい。
  • Postal Ninja: 複数の追跡番号をまとめて管理でき、配送業者の自動検出機能も優秀。
  • AfterShip: ECサイトとの連携に強く、詳細なステータス表示が特徴。

Aliexpressで発行された追跡番号をコピーし、これらのサイトで検索することで、「どの国の、どの空港・施設にあるか」といった具体的な情報を得られる可能性があります。

最終ルート：日本郵便サイトでの国内追跡

荷物が日本に到着し、通関を終えると、多くの場合「JP」で終わる13桁の国際郵便の追跡番号が割り当てられます。この番号が確認できたら、日本郵便の「郵便追跡サービス」で検索するのが最も正確でスピーディーです。ここまで来れば、あと数日で手元に届くと考えて良いでしょう。

「配達予定日を過ぎた」場合の効率的な対処ルート

配達予定日を過ぎても商品が届かない場合、焦って行動するのは得策ではありません。冷静に、かつ戦略的に対処する手順を解説します。

ステップ1：最重要項目「バイヤープロテクション期間」を確認する

Aliexpressには「バイヤープロテクション（購入者保護）」という強力な制度があります。これは、商品が届かない、または説明と異なる商品が届いた場合に、Aliexpressが返金を保証してくれる期間のことです。

注文詳細ページに「〇日以内に注文が届かない場合、全額返金を受けられます」といった表示があります。この期間が切れる前に行動することが絶対条件です。期間が過ぎてしまうと、いかなる理由があっても返金申請はできなくなります。

ステップ2：焦ってセラーに連絡しない

配達予定日を数日過ぎた程度でセラー（店舗）に連絡しても、「国際配送は遅れることがあるから、もう少し待ってほしい」という定型的な返信が来るだけです。時間の無駄になる可能性が高いです。

行動を起こすタイミングの目安は、バイヤープロテクション期間が残り7〜10日になった時点です。

ステップ3：「Open Dispute（紛争）」が最終かつ正規の解決ルート

バイヤープロテクション期間内に商品が届かないことが確定的になった場合、返金を求めるために「Open Dispute（紛争を開始する）」という手続きを行います。これはクレームではなく、システムに則った正規の権利行使です。

1. 注文詳細ページから「Open Dispute」ボタンを押す。
2. 理由として「返金のみ」を選択。
3. 商品を受け取っていないことを選択。
4. 問題点として「物流追跡の問題（荷物が輸送途中だが、期間内に届きそうにない）」などを選択。
5. 証拠として、追跡情報が長期間更新されていない画面のスクリーンショットなどをアップロード。

感情的な文章は不要です。「追跡情報がXX月XX日から更新されていません。バイヤープロテクション期間内に到着する見込みがありません」と、事実を淡々と記述すれば十分です。これにより、Aliexpressの裁定を経て、スムーズに全額返金が処理されます。

配送遅延とポイントサイトの確定タイミング

ポイントサイトを経由して購入した場合、配送の遅延はポイントの承認タイミングにも影響します。

• ポイント確定と配送は別: ポイントの承認（確定）期間は、通常購入から90日〜180日程度。これは配送の遅延とは直接関係ありません。
• 返金＝ポイント却下: 「Open Dispute」によって全額返金となった場合、その取引はキャンセル扱いとなり、獲得予定だったポイントサイトのポイントは却下されます。これは当然の措置です。
• 気長に待つ: 長期にわたる配送は、結果的にポイントが承認されるまでの道のりも長くなります。Aliexpressを利用する際は、配送もポイントも気長に待つ姿勢が重要です。

まとめ：配達日数を“管理”し、Aliexpressの利用を最適化する

Aliexpressの「配達予定日」は、あなたの期待をコントロールするためのものではなく、あくまでシステム上の目安です。その不確実性を前提条件として受け入れ、利用を最適化することが求められます。

• 割り切る: 配達予定日は信用せず、配送方法に応じて「1ヶ月は待つ」など自分なりの基準を持つ。
• 管理する: 追跡サイトを駆使して荷物の状況を把握し、不安を解消する。
• 防御する: 「バイヤープロテクション」を最終的な保険として常に意識し、期限内に適切な行動（Open Dispute）を起こす。

この「割り切り」「管理」「防御」の3ステップこそが、配送のストレスから解放され、Aliexpressの価格メリットを最大限に享受するための最短ルートです。冷静なリスク管理で、あなたのAliexpressライフをさらに快適なものにしてください。