Aliexpressは、世界中の消費者に向けて商品を販売できる巨大なプラットフォームです。
その圧倒的な集客力を活用すれば、ビジネスをグローバルに展開する大きなチャンスを掴めるかもしれません。
しかし、購入するのとは異なり、Aliexpressへの出品には明確な「条件」と「手順」が存在します。
この記事は、Aliexpressの出品者(セラー)を目指す方のために、その基本的な条件とルートを効率的に案内します。
【大前提】Aliexpress出品の基本条件
まず最も重要な点から。日本の個人が趣味でAliexpressに出品することはできません。
Aliexpressでセラーとして登録するには、法人または個人事業主である必要があります。
出品を検討する前に、以下の条件を満たしているか確認してください。
- 事業形態: 法人または開業届を提出済みの個人事業主であること。
- 必要な情報・書類:
- 法人番号(法人の場合)
- 事業者としての証明書類(登記簿謄本や開業届など)
- 代表者の身分証明書
- ビジネス用の銀行口座
- 有効な電話番号とメールアドレス
これらの条件は、Aliexpressが信頼性と安全性の高いマーケットプレイスを維持するために設定しています。
もしあなたが購入専門のユーザーであれば、この先の情報は「Aliexpressの裏側を知る知識」としてご覧ください。
Aliexpress出品者登録への最短ルート
上記の条件をクリアしている事業者は、以下のステップで出品者登録を進めることができます。
手続きは基本的に英語で行う必要があります。
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Step 1: セラーアカウントの作成
- Aliexpressのセラー向け公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。
- メールアドレスとパスワードを設定し、認証を行います。
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Step 2: 企業情報の認証(Business Verification)
- 最も重要なプロセスです。会社の正式名称、住所、法人番号(またはそれに準ずる事業者情報)を入力します。
- 指示に従い、登記簿謄本や開業届、代表者の身分証明書といった事業の実在を証明する書類をアップロードします。
- Aliexpressによる審査が行われ、承認されると次のステップに進めます。
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Step 3: ストアの設定
- 審査に通過したら、あなたのストア名を設定します。
- 販売したい商品のカテゴリを選択します。カテゴリによっては、追加の認証や許可が必要な場合があります。
- これで、商品を出品する準備が整います。
Aliexpressで商品を販売する2つの主要ルート
Aliexpressでの販売方法には、大きく分けて2つのルートが存在します。
あなたの事業モデルに合わせて最適なルートを選択してください。
ルートA:通常出品(自社在庫販売)
自社製品や、仕入れた商品を自身の在庫として保管し、注文が入るたびに梱包・発送する方法です。
- メリット: 利益率を高く設定できる。品質管理やブランディングを自身でコントロールできる。
- デメリット: 在庫を抱えるリスクがある。梱包・発送・在庫管理に手間とコストがかかる。
ルートB:ドロップシッピング
在庫を持たずに商品を販売する手法です。
ShopifyなどのECプラットフォームとAliexpressを連携させ、顧客から注文が入ったら、Aliexpress上の別のサプライヤーから顧客へ商品を直接発送してもらいます。
- メリット: 在庫リスクがゼロ。初期投資を抑え、多種多様な商品を簡単に取り扱える。
- デメリット: 利益率が低い。商品の品質や配送状況を直接コントロールできない。
特に小規模で始めたい事業者にとって、ドロップシッピングは現実的なルートの一つと言えます。Aliexpressも「AliExpress Dropshipping Center」という公式ツールを用意しており、このビジネスモデルをサポートしています。
出品前に知るべき手数料とコスト構造
Aliexpressで販売を行う際には、主に以下の手数料が発生します。
- 販売手数料(Commission Fee): 商品が売れた際に、売上に対して発生する手数料です。カテゴリによって異なりますが、一般的に5%〜8%程度に設定されています。
- 決済手数料: 売上を受け取る際に、決済プラットフォーム(Alipay国際版など)に支払う手数料。
- 為替手数料・リスク: 売上は米ドル建てで計上され、それを日本円で受け取る際に為替レートの変動リスクと、銀行での両替手数料が発生します。
かつては年間技術サービス料が必要でしたが、現在は多くのカテゴリで無料化されており、出品のハードルは以前より下がっています。
まとめ:Aliexpress出品はグローバル市場への挑戦ルート
Aliexpressへの出品は、個人が気軽に行える副業ではなく、明確な事業計画と準備を要する、本格的なビジネスルートです。
- 条件: 法人または個人事業主であること。
- 言語: 手続きや顧客対応は基本的に英語。
- 手法: 在庫を持つ「通常出品」と、持たない「ドロップシッピング」の2ルート。
- コスト: 販売手数料や為替リスクを考慮した価格設定が必須。
これらのハードルは決して低くありません。
しかし、その先には世界220以上の国と地域の顧客が待つ、巨大なグローバル市場が広がっています。
国内市場だけでなく、海外に販路を拡大したい事業者にとって、Aliexpressは挑戦する価値のある魅力的なプラットフォームです。
まずはセラー公式サイトで詳細な規約を確認し、あなたのビジネスがこのルートに適しているか、慎重に見極めることから始めましょう。
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